梅林公園に行こう2015年02月12日 00:11

梅林公園に行こう・・寒さは開花の号砲前だ

谷尾崎梅林公園 梅まつり

 まず、復習。
 ほおに大きなコブをぶら下げた善兵爺さんは、山へ木を切りに行きました。が、大あらしになって、窪みへ飛び込むと梅林公園の池底に着きました。夜中になって雨が止むと、金峰山の鬼が降りてきて、宴会を始めました。陽気な爺さんは、その宴会に飛び入り参加をしましたが、朝、鬼どもがコブを取りあげ、明日まで預かると言いました。

 善兵爺さんは、帰り道に人と出会うと、みんなが目を丸くし、次に顔を伏せ気味にして「おはようございます」といった具合で、何か不愉快な気持ちになりました。家に帰っても、だれも顔の変化に気づきません。お婆さんに至っては、金メダリストの羽生あたりにしか興味が無く、コブがあるとか無いとかなど、誤差の範囲だったのです。顔でも亡くせば気づいたことでしょう。

 ところが愛想良く近づいて、親しげに話す人が出てきました。それが与三爺さんでした。与三も、きのうのテレビがどうとかの話をし、何を言いたいのかが分かりにくいのでしたが、周囲を見回してから、ヒットラーの笑顔のような顔をして言いました。
 善兵さんには、いつも助けてもらっていて、ありがとう。感謝しているといいました。 まあ、こういう電話やメールは削除だが、面と向かい合っている相手なので、愛想笑いで答えます。与三は、まあ、何だねえ。とか言いながら、要するに、常々の自分に落ち度があれば指摘して欲しいと言う。

 いや、別に、何もないよ。みずくさいね、と世辞を言う他はありません。与三は嬉しそうに、君の態度は立派だと言い、僕は君と親友で幸せだよと握手をしてきます。キモイとは言えないので、まあ、うちの犬が「お手」をした表情で与三を見ました。すると、僕は君にアンパンを分けてあげたことがあるねえとか言います。何だよ、賞味期限切れのヤツかとも言えないので、そうだったねえと笑う。
 与三は、満足げに笑った後で、お互いに助け合うというのはいいもんだねえと言い、そうして一転、神妙な顔で言う。ところで、君は、いい医者を見つけたようだねえ?

 善兵爺さんは、鬼の宴会に飛び出すような人であっても妙な気はしたが、すっかり興奮気味にしゃべりまくった。ああなって、こうなって・・・この調子であるから、家族も聞かないのであるが。しゃべり始まると、まあ、関連する全部のことを言い出すので軽い話でも1時間ほどかかる。聞く方は、録音機でもないと目的を見失う。が、与三はにっこり笑って、キセルに火をつける・・・聞くのは一点だけだ。

 しかし、酒でも出さんと吐かないようだなと思ったのだが、そこは面接なども名人で出世した与三なので、相手の得意なところへ集中を忘れない。よって、善兵の踊りのウマサを延々と聞くのであるが、与三が、それを羨ましがってみせるので、善兵も非常に気持ち良く、踊りのノウハウ(悟り)を語る。鬼を黙らせる方法はね、と言う。

 与三さんなら、鬼の前に、どうやって出るの?とたずねる。
 うーん、与三はピンチでもある。が、親しげに、ソレ教えてよ、とクスグル。話は長引こうね。二人は同じ事を話題にしたいのにね。同床異夢じゃなくて異床同夢だ。